「スマホ市場はもう成熟市場。規模やシェアを重視するのでなく、安定収益を経営の主眼に置く」 11月25日、東京・品川の本社で催されたソニーの投資家説明会。16日にモバイル(スマートフォン)部門のトップに就任したばかりの十時裕樹氏はこのように話し、採算重視路線を強調した。 ソニーにとってスマホは、デジタルイメージング、ゲームと並び、エレクトロニクス3本柱の一つとして掲げた中核事業だ。ところが、2012年に旧ソニーエリクソンを完全子会社化した際の収益見通しと現状に乖離が生じたことで、2014年度第2四半期(4~9月期)に1760億円もの営業権の減損を計上。成長を牽引するはずが、一転して経営の足かせになった。 具体的な戦略は語られず スマホをどう建て直すのか――。投資家が注目した今回の説明会で、十時氏は「4つの集中と選択」を宣言。販売網の再編の検討に加え、商品モデル数の厳選、広告活動の効率化、本社