「驚きを通り越して呆れた。今後我々はヒグマの駆除はできなくなるが、それでもいいのか?」 10月18日に札幌高裁が出した判決に対し、北海道猟友会会長・堀江篤氏は語気強く語る。猟友会メンバーがヒグマを駆除した際の発砲が危険だったとして、北海道公安委員会が猟銃の所持許可を取り消した処分を、札幌高裁が法的に妥当だと判断したのだ。 全国的にクマの出没が問題となっている今、北海道で一体何が起きているのか。住民の安全は、誰がどのように守るべきなのか。元NHK「ダーウィンが来た!」ディレクターで、ヒグマを撃った経験のあるハンター・黒田未来雄氏が関係者の声を聞くとともに駆除が行われた現場を取材した。(全2回の1回目/後編に続く) 地元住民がヒグマの出没地点を指差す ©黒田未来雄 ◆ ◆ ◆ 市の要請「子グマであっても駆除してほしい」 まずはこれまでの経緯についてまとめる。多少複雑ではあるが、今回の一件を