はじめに 今回はparserの生成物である構文木についてのお話です。 普段は主にparserとlexerについて考えていますが、たまに構文木について考えを巡らすこともあります。 むしろparserの目指すべき実装が固まったいまだからこそ、その主な生成物である構文木の設計について考える必要があるとも言えます。 Rubyのparserの実装は複数あり、それぞれのparserが生成する構文木もまた微妙に異なります。 それらの構文木は各parserのユースケースに合わせてアドホックに必要な要素が追加されているように見え、なにか原理原則に従っているように思えませんでした。 そのため果たして構文木に設計というものがあるのだろうかという疑問をずっと抱いていました。 Rubyの開発ではユースケースを収集し、それらのユースケースに対してどのくらい応えられているかをもって設計の良し悪しを確認するというアプロー