安倍晋三首相は16日、新型コロナウイルス対策として国民1人当たり10万円の現金を一律給付するため、今年度補正予算案を組み替える方針を自民党幹部に伝えた。補正予算案に盛り込まれていた困窮世帯限定の1世帯当たり30万円の現金給付は取りやめる方向。公明党の要求を受け入れたもので、閣議決定後の予算案組み替えは異例だ。 補正予算案は当初、20日に国会提出する予定だったが、組み替えで提出は1週間程度遅れる見通し。政府・与党は野党に協力を求め月内の成立を目指す。一律10万円給付には12兆円程度の財源が必要。30万円給付の財源約4兆円を10万円給付用に付け替え、残りは予備費や国債発行で賄うとみられる。組み替え作業を迅速に行うため他の予算項目の見直しは最小限とする方向で調整する。