世界的に過熱するAI開発競争。そのなかで日本のAI開発は周回遅れになっていると度々指摘されてきました。本連載は、囲碁AIの研究開発を行う福原智氏の著書『テクノロジー・ファースト』(朝日新聞出版)から一部を抜粋し、筆者が囲碁AI開発を続けるなかで感じた国内AI業界が抱える問題点について紹介していきます。今回は囲碁と関係の深い日本が、囲碁AI研究で米国に遅れにとった理由について考えていきます。 推論AIをつくろうという第五世代コンピュータで行われた囲碁の研究は、あくまでサブプロジェクトの扱いにすぎなかった。囲碁がプロジェクトの中心になっていたら、違うエンディングにたどりついたのではないか。そう思うと歯がゆい。 ゲームに勝つというアプローチでAIを研究する歴史は古い。1950年には、すでにコンピュータ・チェスの論文が登場している。そして、昔からAI学者は次のように言い伝えてきた。 「Chess
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