地質調査会社「基礎地盤コンサルタンツ」東北支社(仙台市)で働く20代の男性は、恒常的に長時間勤務をしていた。しかし、会社は残業代をほとんど支払わない。うつ状態になり、休職した男性が残業代を求めたところ、会社の返事は「あなたが戻る席はない」。絶望的な気持ちになった男性だったが、助力を得ながら闘い続けた結果、ついに労働基準監督署から会社に是正勧告がされた。 過酷な長時間労働やパワハラに遭っても、泣き寝入りするケースは多い。厚生労働省が昨年公表した職場の実態調査によると、被害者の3割超はパワハラを受けた後、何もしなかった。そのうちの3分の2は「何をしても解決にならないと思ったから」と諦めていた。自分がもし被害に遭ったら、どうすればいいのだろう。「一度は諦めかけた」というこの男性に、行動を振り返ってもらった。(共同通信=山岡文子) ▽現場と宿の往復、残業は月90時間超も 男性は2019年に入社した