政府は14日、2022年版の科学技術・イノベーション白書を閣議決定した。岸田政権が成長戦略の柱の一つに掲げる「科学技術立国の実現」を特集。低迷が続く日本の研究力の現状や、大学などが抱える課題をまとめた。 今世紀の日本のノーベル賞受賞者数は世界2位(19人)となり「大きな存在感を示している」と評価。一方で、影響力が大きな学術論文(被引用数上位10%)の数の国別ランキングで、日本は過去最低の10…
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東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が放送したバラエティー・情報番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして、市民団体共同代表の辛淑玉(シンスゴ)さんが制作会社のDHCテレビジョンなどに1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(渡部勇次裁判長)は3日、制作会社に対して550万円の支払いとウェブサイトへの謝罪文の掲載を命じた1審・東京地裁判決(2021年9月)を支持し、同社側の控訴を棄却した。 判決によると、番組は17年1月に放送され、沖縄県の米軍ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設反対運動の参加者を「テロリスト」などと表現。出演者が、市民団体が反対運動の参加者に日当5万円を支払っているという趣旨の発言をした。今回、高裁は5万円の支給対象が16人にとどまり、反対運動の現状発信を依頼したものだとし「原告が参加者を組織的に雇って反対運動を扇動しているとは認めら
物価高を巡り岸田文雄首相が守勢に回る場面が増えてきた。野党は大規模金融緩和に伴う円安が物価高に拍車をかけたと追及し、首相も円安の行方に気をもむが、円安は「アベノミクス」の事実上のキモでもある。安易に見直せば自民党内に強い影響力を持つ安倍晋三元首相との関係にひびが入りかねず、首相は「物価の安定」と「党内の安定」のどちらを優先させるかという難題に直面している。 進む「悪い円安」 物価高を危惧 「円安が一層進み、物価高が顕著になった」「異次元の物価高で『岸田インフレ』だ」。立憲民主党の泉健太代表は1日の衆院予算委員会でまくし立てた。泉氏は5月26日の衆院予算委でも、物価抑制のため金利を引き上げるべきだと提案。首相は同日、円安について一般論と断りつつ「生活者には物価の引き上げで大きなマイナスになる」との認識を示したが、予算措置などで物価高に対応するとし、金融緩和の見直しには同調しなかった。 円安は
福岡県豊前市などで鉄製ガードレールの盗難被害が相次いで確認された問題で、豊前署は31日、豊前市と上毛町、築上町で計408枚(被害総額約102万円)の被害があったと発表した。同署は自治体からの被害届を受理し、窃盗事件として捜査を始めた。 同署によると、盗まれたのはガードレール先端の丸まった袖ビームと…
テレビ朝日は5月31日、急逝したお笑いトリオ・ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんの自宅前から中継を行ったことについて、「(世界保健機関=WHO=の自殺報道に関する)ガイドラインを踏まえて報道したが、より慎重に対応していく」とコメントした。同日開かれた定例記者会見で、篠塚浩常務が述べた。 テレビ朝日は上島さんが亡くなった5月11日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」で自宅前から中継した。フジテレビも実施しており、ネット上では「ガイドラインの無視だ」といった批判が出ていた。 篠塚常務は「死因が確認できていない段階で、少しでも状況をお伝えしようということで、ガイドラインを踏まえて現場や場所は一切お伝えしないような形で1回だけ中継した」と説明。その上で「さまざまなご批判があることは真摯(しんし)に受け止めている。ガイドラインをそのまま守ればいいということではなく、報道の及ぼす影響に関して重々考え、報道
安倍晋三元首相の後援会が主催した「桜を見る会」前夜祭の費用補塡(ほてん)問題で、サントリーホールディングス(大阪市)が2016~19年の前夜祭に酒類を無償提供していたことが、刑事確定記録や同社などへの取材で判明した。同社で負担額が確認できた17~19年は1年あたり15万円程度で、計約45万円を負担したという。政治資金規正法は企業から後援会など「その他の政治団体」への寄付を禁止しており、同法に抵触する可能性がある。 同社は提供した酒類の量を明らかにしなかったが、同法違反(不記載)で罰金100万円の略式命令が確定した安倍元首相の元公設第1秘書(62)の刑事確定記録によると、17年は計90本、18年計170本、19年計122本のビールやウイスキー、ワイン、焼酎が提供されていた。これらはホテル側の職員が作成した「宴会ファイル」という資料に記載されており、連絡先として同社の電話番号も載っていた。
上智大学の非常勤講師に賃金を支払っていないとして、大学側が労働基準法に基づく是正勧告を受けていたことが関係者への取材で判明した。大学側は勧告に応じず、労働基準監督署が出した勧告書の受け取りも拒否したという。是正勧告は法律違反を前提とした行政指導。是正しない場合などは書類送検されることがある。知名度の高い高等教育機関が行政指導に背いたことに、関係者からは疑問の声が上がっている。 賃金の不払いを申告したのは、語学の非常勤講師を務める60代の女性。女性が東京労働局中央労働基準監督署に提出した申告書や、加盟する労働組合「首都圏大学非常勤講師組合」によると、女性は日本語初級コースを担当。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた2020年度からのオンライン授業の導入に伴い、教材を1人で作成した。
病院との和解成立後、両親は莉奈ちゃんの遺影を持参して記者会見した=横浜市中区で3月25日午後3時21分、鈴木悟撮影 横浜市で2010年9月、生後11カ月の女児が病院で肝臓の検査を受けた後に亡くなった。病院は当初、検査と死亡の因果関係を否定。真相を求めて、病院側と法廷で争った両親の「闘い」を追った。 「娘はブランコが揺れるたびに気持ちよさそうな顔をして、小さな両手で綱を楽しそうにつかんでいました」 「バイバイも手招きもすぐに覚え、食事もきらいな味なら首を振り『ぶーっ』とだしてしまい、好きな味なら、うなずきながらおいしそうに食べていました」 2010年9月2日午前0時過ぎ。生後11カ月だった中島莉奈ちゃんは、横浜市内の病院で肝機能を調べる検査を受けた直後に容体が急変し、半日後に息を引き取った。葬儀の翌日、母は自宅の居間で一人パソコンに向かい、5時間かけて、莉奈ちゃんと過ごしたどんなささいな瞬間
車いすで活動する参議院議員・木村英子さん(57)。「障害者があたりまえに生きられる社会」の実現を目指し3年前に国政の世界に入ったが、日本の入管行政にも深い懸念を持っている。5月10日に野党5党・会派が参院に提出した新設の難民等保護法案や出入国管理及び難民認定法(入管法)などの改正案では、発議者に名を連ねた。関心を持ったきっかけの一つは、2021年3月に名古屋出入国在留管理局(名古屋入管、名古屋市)で収容中のスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が死亡したことだった。収容されている外国人の処遇を知るために、出入国在留管理庁(入管庁)の施設を視察し、「自分のいた障害者施設(での虐待)を思い出してショックを受けた」という。詳しく聞くと、問題解決には外国人当事者の関与など「外の目」が必要だと訴えた。【和田浩明】 治療受けられないのは虐待と一緒 ――入管行政に関心を持つようになった
成長戦略を雄弁に説明していた在任当時の安倍晋三元首相=首相官邸で2014年6月24日午後6時44分、藤井太郎撮影 2013年に当時の安倍晋三政権が「今後10年で世界大学ランキングのトップ100に日本の10校を入れる」と掲げた成長戦略の達成期限が2023年に迫った。この間、文部科学省は大学の国際競争力アップを目指して「指定国立大学法人制度」や「スーパーグローバル大学創成支援事業」といった手を打ってきたが、最新ランキングで100位以内に入っているのは東京大と京都大のみ。目標達成の見通しは立たない。 安倍政権が重視していたランキングの一つが英教育誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(THE)のもので、21年秋に出た最新ランキングでは東大が35位、京大が61位。東北大が201~250位、大阪大が301~350位と続いた。 安倍政権が「世界トップ100に10校」という成長戦略を閣議決定した13
長男を拘束して自宅に監禁した容疑で父親らが逮捕される事件が起きた民家=川崎市で2022年3月22日午後3時10分、宮島麻実撮影 精神疾患の可能性を指摘されていた長男(当時37歳)を自宅でロープや手錠を使って約4カ月拘束したとして今年1月、川崎市の両親と妹が逮捕監禁容疑で逮捕された。精神障害のある人を自宅に閉じ込めることが法律上認められた時代はあったものの、戦後まもない1950(昭和25)年に法律は廃止された。閉じ込めが禁じられてから72年。家族が身内を「座敷牢(ろう)」に閉じ込めるような陰惨な事件はなぜ起きたのか。 神奈川県警が父親(70)と母親(65)、妹(36)の3人を逮捕したのは1月31日。逮捕容疑は2021年9月6日までおよそ4カ月間、川崎市内の自宅で同居する長男の両手足をロープや手錠などで拘束し、自宅に監禁したというものだった。長男は9月6日に死亡が確認されている。 県警によると
新型コロナウイルスの感染経路について科学者が提出した公開質問状に対し、国立感染症研究所から届いた回答を巡り、インターネット上の勉強会では「ゼロ回答」などと批判の声が上がった=林奈緒美撮影 国内の新型コロナウイルス対策の基となる国立感染症研究所(感染研)の報告書が世界保健機関(WHO)などの世界の科学的知見と異なるとして、感染症や物理学などを専門とする科学者10人が感染研に公開質問状を提出した。「新型コロナは主にエアロゾル感染(空気感染)によって生じる」という科学界の最新知見について、感染研の報告書が否定しているからだ。「めちゃくちゃな報告書だ。誤った説が幅をきかせたことで、防げるはずの感染が起きている」。こうした科学者たちの怒りの声に、感染研はどう答えたのだろうか。【林奈緒美】 感染研 感染経路は「飛沫と接触」 先月1日に提出した公開質問状で科学者が問題視するのは、感染研が1月13日に公表
「どうしてもやる」 「扶養照会はどうしてもやらなくてはならない。やるのは違法じゃない。ただでお金もらっているわけじゃないんだから」 昨年7月、失職して生活に困窮したAさん(50代男性)は、住まいのある東京都杉並区で生活保護を申請した。地方に暮らす80代の両親に心配をかけたくないと考えたAさんは、区に扶養照会(福祉事務所が親族に援助の可否を問い合わせること)を実施しないことを書面で求める申出書を事前に用意して、申請時に提出しようとしたが、対応した複数の職員は書面の受け取りをかたくなに拒否したという。 「申出書をひっこめないと保護申請の手続きは進められない」とまで言われたAさんは、書面の提出を諦めざるをえなかった。 生活保護が決定した後も、Aさんは担当となったケースワーカーに、親族に連絡をしないでほしいと口頭で伝えたが、それに対しての返答は冒頭に書いた言葉であった。 Aさんが抗議すると、担当者
北京オリンピックで7日にあったノルディックスキー・ジャンプの混合団体に出場した高梨沙羅(25)=クラレ=が8日、自身のインスタグラム(写真共有アプリ)を更新した。4位となった日本の1番手で出場し、1回目に失格になったことについて「日本チームみんなのメダルのチャンスを奪ってしまったこと、今までチームを応援してくださった皆様、そこに携わり支えてくださった皆様を深く失望させる結果となってしまったこと、誠に申し訳ありませんでした」とつづった。 真っ黒な画像を示した上で「私の失格のせいでみんなの人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です。謝ってもメダルは返ってくることはなく責任が取れるとも思っておりませんが、今後の私の競技に関しては考える必要があります。それほど大変なことをしてしまったこと、深く反省しております」とし、「私のせいでメダルを取れなかったにもかかわらず、最後の最後まで支え続けてく
親貝を増やすため天然アサリを育てている網田漁協の漁師たち=熊本県宇土市で2022年2月2日午後3時11分、中村園子撮影 「熊本県産」として流通するアサリの大半が中国産や韓国産だった可能性が明らかになった問題で、地元漁業者は「産地偽装なんて昔から有名な話だ」と諦めたように話す。県は対策に乗り出すが、偽装アサリの大半が同県を通過せず流通しているとみられ、歯止めをかけるのは容易ではない。 「産地偽装の話は何十年も前から聞いていた」。有明海に面する熊本県宇土市の干潟で、網田漁協(同市長浜町)の浜口多美雄組合長(71)は声を落とした。 熊本県のアサリ漁獲量は1970年代、年間6万トンを超え全国のおよそ4割を占めた。しかし、70年代後半からコンクリートの材料として川底の砂が採取され、海辺の浜や干潟に堆積(たいせき)する砂が減少。生育環境の悪化で80年代から漁獲量が減少し、2020年は21トンだった。そ
JVCケンウッドは3日までに、家庭用ビデオカメラの生産を昨年10月に終了したことを明らかにした。「JVC」や「ビクター」のブランドで1984年度から販売し、累計で3600万台を出荷したが、近年は動画撮影ができるスマートフォンに押されていた。 今後は、高画質を実現する映像技術などをドライブレコーダー…
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