自動車や家電製品などの生産に使われる工作機械は、機械を作る機械として、「マザーマシン」とも呼ばれる。日本は1982年から27年間、工作機械生産額で世界第1位であったが、2010年にその座を中国に明け渡した。台湾、韓国も追い上げる中、日本の工作機械産業は衰退してしまうのか。 「一国の繁栄は、その国の優れた生産力にかかっている」――1989年、米国・マサチューセッツ工科大学(MIT)産業生産性調査委員会がMade in America: Regaining the Productive Edge(邦訳『Made in America―アメリカ再生のための米日欧産業比較』)の冒頭に残した名言である。(※1)工業力を落とした米国経済の再生を念じ、勢いを増す日本と欧州の基幹産業の生産力を調査・分析して警告した。対象業種は、自動車・化学・民間航空機・電子機器・工作機械など8業種にまたがり、いわく冒頭の
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