建物の老朽化、空き家問題、高齢化、人口流出。都市の多くが頭を抱える問題です。そのようななか大阪の下町「昭和町」では、長い歴史を誇る長屋をローコストで再活用し、街に活気をもたらしています。成功に導いたのは、代々続く地元の不動産会社。三代目社長の「気づき」がきっかけでした。「長屋の保存活動ではない。やっているのは長屋の“活用”だ」。そう語る三代目社長に、奏功の秘訣をおうかがいしました。 「私は長屋の保存活動はしていない」 「誤解されるのですが、私は長屋の保存活動はしていないんです」 「丸順不動産」代表取締役、小山隆輝さん(57)はそう言います。 大阪府大阪市阿倍野区(あべのく)「昭和町」。大阪メトロ御堂筋線の巨大ターミナル駅「天王寺」から南へ一駅くだった場所にある細長いエリアです。 「昭和町」はその名のとおり昭和時代の面影を感じさせてくれる、のんびりした雰囲気に包まれた街。あべのハルカスがそび
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