「洋酒天国とその時代」(小玉武・筑摩書房・2007)という本を古本屋で見つけて今秋、時間があるときにちらっちらっと読んでいました。洋酒天国というのは洋酒の寿屋、今のサントリーが昭和30年代に寿屋のお酒を出していたバーに常連客に渡してもらうためにノベルティーとして配布していた部数限定の雑誌で、執筆者は薩摩治郎八、吉田健一、淀川長治、小松左京、瀬戸内晴美、森茉莉、草野新平、田村隆一、金子光晴などを起用し、いちおうノーメル賞という名のカクテルコンクールのページはあるもののお酒に関係ないことであっても掲載していたようです。ようです、って書いたのは当然生まれる前の事象ですし、実物を読んだことがないので、断言はできません。個人的に(読みはじめた頃には亡くなっていた)開高健という作家の著作にのめり込んでいた時期があって、開高健さんは洋酒天国の初代編集長でしたから洋酒天国の名前だけは知っていたので「洋酒天