ソフトウェアエンジニアリングにおいて大切なのは、人間のことをのぞけば名付けだと思っている。言葉がなければ世界は混沌としたままだけど、そこに名前をもたらすことがものごとを切り分け、ひとつの秩序をもった視点をつくる。この秩序は唯一絶対のものではなくて、なんらかの意志によって導かれたものである。ソフトウェアはあくまでも現実の抽象だから、問題をどういう視点で見るか、という軸があるわけだ。そういう意味では人間のことではある。 適切につけられた名前は、そのことによって他のものとの自然な境界を与えられていて、その他の名付けと一貫性を持っている。そういう名前は既存の名付けの体系になじむので、同じ言葉を使う人々のあいだに受けいられれて、共通のコンテキストに追加される。そして次第に暗黙のものになっていく。 たとえばユーザのフォローがあるSNSのようなウェブサービスをつくるときに、QueueとかBrokerみた