60年の歴史を持つ映画館「フジサワ中央」(藤沢市藤沢)が、8月末で閉館する。独立館として作品選びやサービス面で特色を出してきたが、シネコン(複合映画館)の急増で経営難に陥った。同館の閉館により、県内の独立館は横浜市内に数館を残すだけとなる。 フジサワ中央は1950年4月、藤沢駅近くの現在地に開館。86年4月に地下1階・地上5階のビルを建て、「フジサワ中央1」(3~4階、207席)と「同2」(地下1階、126席)の2館体制で営業してきた。 「かつては満席で立ち見もしばしば出たが、ここ3、4年は毎年約2割ずつ観客が減少している」と経営母体の藤沢映画興行。その理由として、同社は近隣の茅ケ崎、平塚、大和、海老名各市などにシネコンが進出したことを挙げる。 対抗策として、シネコンでは取り上げない無名の秀作を上映したり、母親が買い物中に子どもが一人で観賞できるようなアットホームなサービスも導入した