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ブックマーク / www.12kai.com (7)

  • 『カーネーション』のあった朝 | Fishing on the beach

    勤務先が自転車で15分の場所にあるおかげで、朝の連続テレビ小説を見て出勤するのが長年の習慣になっている。気の合う作品と出会えると、朝の仕事にもその作品に合った調子が出て、半年間がその作品の緩急にうっすら染まる一方、一、二ヶ月で見落とすようになってしまうこともあり、そんな場合は、ドラマもそこそこに出勤してしまう。これまで、最後まで見続けたものは『オードリー』『てるてる家族』『芋たこなんきん』『ちりとてちん』と大阪放送局制作のものが多い。 『カーネーション』を、3/31まで楽しみに見続けた。『カーネーション』を見ていると、作者や演出家、スタッフが、朝の生活をいかに丁寧に描いているかがよくわかった。早い朝、眠い朝、ミシンを踏みながら迎えてしまう朝、子どもを蒲団から追い出す朝の光が描かれ、時代ごとにかわる衣装や家のつくり、調度に配慮が行き届き、物語の朝が、見ているこちらの朝に染みてくる。 尾野真千

  • 今日のあまちゃんから 9/24 » Fishing on the beach

    ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・  今日の後半は魔法のようだった。演出も音楽も音響も小道具も、そして編集も、前後する時間と場所を一つの夢のように自在につないでいる。朝、二回見たけれど、あまりによくできていて、ちょっと呆然としてしまった。  最初は、竹で燗をする酒が旨そうだな、とそこに目がいっていた。忠兵衛がかつ枝さん夫婦と大吉を連れて帰ってきて、そこに鈴鹿さんに、アキ、夏も加わり、囲炉裏端は一気ににぎやかになる。大吉はついに安部ちゃんとの再婚を決意したという。半年しか持たなかった大吉の最初の結婚を「2クールだな!」とからかいながら、アキが囲炉裏端で竹に酒を注ぐ。あ、これから囲炉裏に刺してお燗をするのか。あれはウマイだろうな。  すると、会話の中途で、時間が「ー 翌日」になる。  翌日。  「車両点検、終了しました、試運転お願いします。」と言う吉

  • 今日のあまちゃんから 9/5 » Fishing on the beach

    ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・  劇における座席の位置というのがいつも気になっているのだが、演出が井上剛さんのときには特に発見が多い。  アキが北三陸に戻るかどうか、という話がいつの間にか春子が東京に残るかどうかという話に逆転していたのだが、なぜそうなったのか、うまく思い出せなかった。それで、8:00からもう一度見て(一回目はBSだった)、ああそうかとようやく気づいた。  春子と正宗の座る位置が交代していた。  交代はごくさりげないやり方で行われている。まだやりとりが「始まったばかり」のとき、春子はアキの正面にいて、アキを怒鳴りつけている。そしてあきれて窓際に去るのだが、この隙に、正宗が、そそくさとアキの正面に腰をずらせる。それは、いかにもお父さんと娘の親密な会話を設えようとするようであり、空いたスペースに縦列駐車をするようにさりげないので、物語を左右するように

  • 今日のあまちゃんから 9/3 » Fishing on the beach

    ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・  被災現場で、ストーブことヒロシがヘルメットをかぶっているのがまず目を引いた。大吉や吉田副駅長のようにいつも制服姿の人間がヘルメットをしてもさほど違和感はないが、きゃしゃな優男のヒロシには、ヘルメットがまるで似合わない。そのいちばん似合わなそうな彼がヘルメットをしていることで、事のただならなさが伝わってくる。  そこから車両を人力で動かし、かろうじて無事だった区間をいち早く整備し、なんと6日間で運行を再開する今日のエピソードは、当は『潮騒のメモリー』以上に心動かされる場面として、もっと時間をかけて描かれてもよいはずだ。夏ばっぱの無事な姿が映るところも、ウニ丼を運ぶ姿がとらえられるところも、それまでの経緯だけで一週間分のエピソードになるはずだ。あのときかつ枝さん夫婦はどうしたのか。ネコはどうしたのか。家は無事だ

    toya
    toya 2013/09/03
  • 合奏は跳ねる —「あまちゃん オープニングテーマ」の独自性—(全文) » Fishing on the beach

    合奏は跳ねる ―『あまちゃん オープニングテーマ』の独自性― 細馬宏通  『あまちゃん』の物語とともに毎回大きな楽しみとなっているのが、大友良英による音楽だ。メロトロン、サイン波、タブラ、ときにはギターのフィードバックまで使って、細かく編集された映像に対して、確かな緊張感を与えている。かと思えば、ぽっかりと抜けるようなメロディで泣かせたりもする。 中でも型破りなのが、オープニング・テーマだ。ここ十年の朝ドラのインストルメンタル曲を思い出してみよう。『てっぱん』『瞳』『ちりとてちん』『純情きらり』。いずれもバイオリン、トロンボーン、ピアノ、チェロのソロがたっぷりと情感のこもったメロディを奏でるものだった。最近では『おひさま』のテーマが、ゆっくりと息の長い一つのメロディを歌い上げる佳曲だった。 ところが『あまちゃん』のテーマはまったく違う。初めて聞いたときには、正直とまどった。アップテンポのに

  • 今日のあまちゃん 7/29 から » Fishing on the beach

    実は、「あまちゃん」についてまとまったことを書くのは最終回が終わってからにしようと思っていた。単に個人的な趣味なのだが、ドラマを見ながらあれこれ読みを掘り下げると、どうしても先を予想したくなるし、そうなると予想の当たり外れが気になってしまう方なので、できるだけ手をだらーんと下げて、パンチを受ける態勢で臨もうと思ってここまで我慢してきたのである。 しかし。 わーわー! おらもう耐えられねえ! というか、わたしのザルのような頭で思いついたすてきな(すてきな、てのは親バカですよ)考えがどんどんどんどん流れてしまって、じゃあ大事なことをやたら貯め込むのはどうなのよ、とも思うが、もう書かないとやっとれん。かといって、ツイッターに書いたりすると、お昼の放送や週末の放送を楽しみにしてる人の目にもふれるし、わーわーわー! というわけで、ここに書くことにしますよ。 いきなりこのページ見ちゃった人のために多少

    toya
    toya 2013/07/29
    脇ガードの考察すごい
  • 「暦の上ではディセンバー」クロス・レビュー(『ニュー・ミュージック・オン』誌/2009年) » Fishing on the beach

    屋で「暦の上ではディセンバー」発売当時の『ニュー・ミュージック・オン』誌(2009年)を見つけたので、クロス・レビューのページを一部アップします。

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