東京大学は10月29日、脂肪細胞から分泌される抗糖尿病、抗メタボリックシンドローム作用を有する善玉ホルモンの「アディポネクチン」の代わりに「アディポネクチン受容体」を活性化することができる内服薬(低分子化合物)の種を、マウスを用いた実験により発見することに成功したと発表した。 成果は、東大医学部附属病院 糖尿病・代謝内科の門脇孝教授、同・山内敏正講師、同・22世紀医療センター 分子創薬・代謝制御科学講座の岩部美紀特任助教、同・22世紀医療センター 統合的分子代謝疾患科学講座の岩部真人特任助教らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、日本時間10月31日付けで英科学誌「Nature」オンライン版に掲載された。 日本では、高脂肪食や過食、運動不足によって肥満が増加し、メタボリックシンドロームや糖尿病の激増の原因になっていると考えられている。さらにそのことが、心血管疾患やがんのリスクを高め、