米国で捨てられ全米各地のごみ埋め立て地に廃棄されているタイヤの数は6000万本。走行中のタイヤからは、プラスチックやゴムの微細な破片が飛び散る。PHOTOGRAPH BY HANNAH WHITAKER 多くの人は毎日何らかの形でタイヤを利用しているが、タイヤがプラスチック汚染の原因の一つであることはあまり知られていない。 タイヤは道路を走行する際、摩擦により合成ゴムの破片をまき散らす。合成ゴムは石油を原料とするポリマー(高分子化合物)で、こうした破片は雨が降ると道路から河川へと流れ込むことがある。ある推計では、海に流入するマイクロプラスチックのうち、タイヤが28%を占めるという。 環境に配慮したタイヤの開発も ゴムはかつてゴムの木の樹液だけで作られていたが、車を運転する人が増えるとゴムの需要も急増した。1909年、ドイツの化学者フリッツ・ホフマンが初めて商業用の合成ゴムを開発し、タイヤの
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