ブックマーク / sorae.info (42)

  • ウェッブとハッブル、2つの宇宙望遠鏡で観測した“くじら座”の銀河「NGC 1087」

    こちらは「くじら座(鯨座)」の方向約8000万光年先の渦巻銀河「NGC 1087」です。「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope:JWST)」の「近赤外線カメラ(NIRCam)」と「中間赤外線観測装置(MIRI)」で取得したデータをもとに作成されました。ウェッブ宇宙望遠鏡は人の目で捉えることができない赤外線の波長で主に観測を行うため、公開されている画像の色は取得時に使用されたフィルターに応じて着色されています。 【▲ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)と中間赤外線観測装置(MIRI)で観測された渦巻銀河「NGC 1087」(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Janice Lee (STScI), Thomas Williams (Oxford), Rupali Chandar (UTole

    ウェッブとハッブル、2つの宇宙望遠鏡で観測した“くじら座”の銀河「NGC 1087」
  • スーパーカミオカンデによる超新星爆発予測、幽霊粒子ニュートリノの不思議な性質

    【▲ハッブル宇宙望遠鏡とチャンドラX線観測衛星によって捉えられたイータカリーナ(りゅうこつ座η星)の合成画像。改良されたニュートリノ検出器は、イータカリーナや類似の星が超新星爆発を起こす数時間前に警報を発出できるかもしれません(Credit: NASA/CXC; Ultraviolet/Optical: NASA/STScI; Combined Image: NASA/ESA/N. Smith (University of Arizona), J. Morse (BoldlyGo Institute) and A. Pagan)】「ニュートリノ」という名称は、日に住んでいる私たちにとって比較的なじみがあるかもしれません。「カミオカンデ」および「スーパーカミオカンデ」という巨大な研究施設を用いてニュートリノを観測し、ニュートリノに関わる大発見を成し遂げたことで、小柴昌俊さんと梶田隆章さんと

    スーパーカミオカンデによる超新星爆発予測、幽霊粒子ニュートリノの不思議な性質
  • 火山・断層・水の流れ…過去に起きた活動の痕跡を欧州の火星探査機が捉えた

    【▲ 北から見下ろしたジョヴィス・トルスを再現した画像(Credit: ESA/DLR/FU Berlin)】こちらは火星のタルシス地域にある火山「ジョヴィス・トルス(Jovis Tholus)」です。画像は欧州宇宙機関(ESA)の火星探査機「マーズ・エクスプレス(Mars Express)」による2021年5月13日と同年6月2日の観測データをもとに、ジョヴィス・トルスを北から見下ろした光景を再現したもの。ESAから2022年1月26日付で公開されました。 ジョヴィス・トルスは火星最大の火山「オリンポス山」から東に約1000kmほどの場所に位置しており、南東から南にかけての方角にはタルシス三山(北から「アスクレウス山」「パヴォニス山」「アルシア山」)が並んでいます。これら火星の巨大火山群に比べれば小さな山ではあるものの、マーズ・エクスプレスはジョヴィス・トルスとその周辺に残る過去の激しい

    火山・断層・水の流れ…過去に起きた活動の痕跡を欧州の火星探査機が捉えた
  • 1万年に1度の好機? 太陽系外縁天体「セドナ」に向けて探査機を打ち上げるなら2029年が最適か

    【▲ 2004年に公開された太陽系外縁天体「セドナ」(左)の想像図。遥か彼方で輝く太陽(右)も描かれている(Credit: NASA/JPL-Caltech)】ロシア宇宙科学研究所のVladislav Zubkoさんを筆頭とする研究グループは、無人探査機による太陽系外縁天体「セドナ」(90377 Sedna)の接近探査に関する研究成果を発表しました。セドナは太陽から最も遠ざかる時は約1000天文単位(※)、最も近付く時でさえ約76天文単位も離れているとされる、地球から遠く離れた天体です。研究グループによると、そんなセドナへ探査機を送り込むのに条件の良いタイミングが、今から7年後の2029年に訪れるのだといいます。 ※…1天文単位(au)=約1億5000万km、地球から太陽までの平均距離に由来 ■セドナ接近探査、最良条件下の打ち上げタイミングは2029年太陽系外縁天体とは、太陽系の天体のうち

    1万年に1度の好機? 太陽系外縁天体「セドナ」に向けて探査機を打ち上げるなら2029年が最適か
  • 現在の地球のように「表面の一部が氷に覆われた水の惑星」は少数派かも?

    【▲地球観測衛星「NOAA-20」が2018年4月12日に撮影した画像をもとに作成された地球の姿(Credit: NOAA)】こちらは2018年4月12日に撮影された地球の姿です。太陽同期軌道(極軌道の一種)を周回するアメリカの地球観測衛星「NOAA-20」が取得した複数の画像をもとに作成されました。 「地球の画像」と聞いてイメージするものと比べて、この画像は少し印象が違うかもしれません。中央に写る白い地域は氷に覆われた北極圏で、画像には北極を中心とした北半球が捉えられています。画像の中央から見て右にはアフリカ大陸やアラビア半島が、左下には北アメリカ大陸が見えているのがわかりますでしょうか。この画像で示されているように、現在の地球の表面はその一部が氷床や海氷に覆われています。 ■表面に液体の水が存在しつつ一部が氷に覆われた惑星は少ない可能性【▲太陽系外惑星「ケプラー186f」の想像図。表面

    現在の地球のように「表面の一部が氷に覆われた水の惑星」は少数派かも?
  • 新型宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」ついにロケットへ搭載される

    【▲「アリアン5」ロケットの上段と結合される宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」(Credit: ESA-M.Pedoussaut)】こちらはクールー(フランス領ギアナ)のギアナ宇宙センターで進められている宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」の打ち上げ準備作業の様子です。透明のカーテンに囲まれた空間、その天井の開口部から姿を現しているのがウェッブ宇宙望遠鏡の体で、その下には欧州の「アリアン5」ロケットの上段(第2段)の頂部が見えています。 アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は、現地時間12月11日にウェッブ宇宙望遠鏡とアリアン5の結合作業が完了したことを12月14日付で明らかにしました。 【▲宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」を描いた想像図(Credit: Adriana Manrique Gutierrez, NASA Animator)】NASAとESA、それにカナダ

    新型宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」ついにロケットへ搭載される
  • 地球の水の一部は太陽風によって生成された可能性、初代「はやぶさ」が持ち帰ったサンプルの分析結果から

    【▲JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」が撮影した小惑星「リュウグウ」(Credit: JAXA)】グラスゴー大学のLuke Daly博士を筆頭とする研究グループは、地球の水の起源に関する新たな研究成果を発表しました。今回の研究では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ」が訪れ、微量ながらも地球へサンプルを持ち帰ることに成功した小惑星「イトカワ」(25143 Itokawa)のサンプルが用いられています。 研究グループによると、私たちが住む地球に存在する水の一部は、太陽から吹き出す太陽風によって生成された可能性があるようです。 ■太陽風にさらされた塵の表面直下で水分子が生成された可能性地球は太陽系の他の岩石惑星と比べて水が豊富で、表面の約7割が海に覆われています。地球の水の起源は長年に渡り研究の対象となっており、近年では初期の地球に有機物や水が豊富なC型小惑星や彗星が衝突

    地球の水の一部は太陽風によって生成された可能性、初代「はやぶさ」が持ち帰ったサンプルの分析結果から
  • 木星に小天体が衝突 京都大学の観測チーム等が捉える

    【▲ 観測された木星の閃光(Credit: OASES)】10月15日(金)、小天体が木星に衝突したことが原因と思われる閃光を木星の北半球で日の天体観測家らが観測しました。この出来事は米国のニュースサイト「Space.com」や「Newsweek」、国内では「NHK」などが報じています。 この衝突現象は、京都大学附属天文台の有松亘特定助教が率いる「OASES(Organized Autotelescopes for Serendipitous Event Survey)」によって観測されています。 京大のプロジェクトチームがTwitterに投稿した内容によると、沖縄県の宮古島に設置したPONCOTS観測システムを用いて可視光500-750nm及び889nmメタンバンドの2種類の波長域による同時観測に成功。これは世界で初めての事と言います。 また、投稿された木星の画像はメタンバンドで撮影さ

    木星に小天体が衝突 京都大学の観測チーム等が捉える
  • オウムアムアの正体に新説、冥王星に似た天体の破片が数億年かけて飛来した可能性

    アメリカ惑星科学研究所の名誉上席研究員William Hartmann氏による扁平な形をしたオウムアムアの想像図(Credit: William Hartmann)アリゾナ州立大学のSteven Desch氏とAlan Jackson氏は、2017年10月に発見された観測史上初の恒星間天体「オウムアムア(’Oumuamua)」について、冥王星のような天体の破片だった可能性を示した研究成果を発表しました。両氏は同様の天体の観測を通して太陽系外の冥王星に似た天体の表面組成を直接調べる機会が得られるかもしれないと期待を寄せています。 ■発見時点で最大50メートルに満たない窒素の氷でできた天体だった可能性太陽系の天体にはあまり見られない細長い形あるいは扁平な形をしていると予想され、彗星のようにガスを噴出する様子が観測されなかったにもかかわらず重力だけでは説明できない速度の変化を示したオウムアムアの

    オウムアムアの正体に新説、冥王星に似た天体の破片が数億年かけて飛来した可能性
  • 月面で検出された水分子は従来の予想よりもシンプルな反応で生成されている可能性

    NASAの月周回衛星「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」の画像をもとに作成された月の画像(Credit: NASA/GSFC/Arizona State University)宇宙航空研究開発機構(JAXA)の仲内悠祐氏らの研究グループは、太陽風が直接吹き付ける月や小天体などの表層における水分子(H2O)の生成に関する研究成果を発表しました。研究グループによると、従来はこうした環境で水分子が生成されるためには太陽風に加えて微小隕石の衝突が必要だと考えられていたものの、今回の研究では太陽風のみで水分子が生成されることが初めて明らかになったといいます。 2020年10月、月の南半球にあるクラヴィウス・クレーターにおいて水分子が検出されたとするハワイ大学のCasey Honniball氏らの研究グループによる成果がアメリカ航空宇宙局(NASA)から発表されました。月面では極域の永久影(

    月面で検出された水分子は従来の予想よりもシンプルな反応で生成されている可能性
  • 着陸時の動画や火星の風の音。NASA探査車「Perseverance」新たなデータ公開

    現地時間2月22日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は日時間2月19日朝に火星へ着陸した火星探査車「Perseverance(パーセベランス、パーサヴィアランス)」の新たな画像と着陸時に撮影された動画、そして火星の地表で初めて録音された音を公開しました。 ■上空から地表に降り立つまでの様子を撮影した動画 ▲Perseverance Rover’s Descent and Touchdown on Mars (Official NASA Video)▲ (Credit: NASA/JPL-Caltech) カラー撮影が可能な複数のカメラを搭載しているPerseveranceは、火星の大地に接する前から撮影を始めていました。今回公開されたこちらの動画は、高度約1万1000mの上空から着陸までの様子を捉えた各カメラの映像を1に収めたものです。着陸当日にPerseveranceから送られてきたデ

    着陸時の動画や火星の風の音。NASA探査車「Perseverance」新たなデータ公開
  • 火星探査車「Perseverance」について知っておきたい7つのこと

    アメリカの火星探査車「Perseverance」(パーセべランス、パーサビィアランス )が火星への着陸に成功しました。いよいよ火星の痕跡を探すことを目標にするミッションが始動します。そこで今回は、Perseveranceについて知っておきたいことを7つのポイントを解説します。 火星探査車「Perseverance」(Credit: NASA/JPL-Caltech)関連 ・NASAの探査車「Perseverance」火星への着陸に成功、地表の様子を撮影 ・動画で再現!NASA最新の探査車はこうして火星の大地に降り立つ ・火星探査車「パーセべランス」打ち上げ成功!火星には来年2月到着 1 生命の痕跡を探すPerseveranceに搭載されている科学機器(Credit: NASA/JPL-Caltech)Perseveranceは「火星に微生物が存在した痕跡」を様々な科学装置で調査します。 例

    火星探査車「Perseverance」について知っておきたい7つのこと
  • 「宇宙の色は何色?」そんな疑問に対する一つの回答

    活発に星を形成している渦巻銀河「NGC 1792」。青い領域は若く高温の星が豊富であることを示している(Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Lee)みなさんは「宇宙の色」は何色だろうかと考えてみたことはあるでしょうか。真っ暗な背景に星が散りばめられた夜空からは黒が思い浮かぶかもしれませんが、もしもさまざまな色の光を放つ星々の輝きで空が埋め尽くされたとしたら、それは何色に見えるのでしょうか。 そんな疑問に対する一つの回答は「ベージュ」。ウェブカラー(ウェブサイトで用いられるカラーコード)での表記は「#FFF8E7」で、研究者が開催した命名コンテストの結果「Cosmic Latte」(コズミックラテ、宇宙のラテ)と名付けられています。 2dF銀河赤方偏移サーベイの観測データから算出された銀河の平均色「Cosmic Latte」(Color Credit: Karl Gl

    「宇宙の色は何色?」そんな疑問に対する一つの回答
  • 恒星の種類によるハビタブルゾーンの違いを解説した図表

    ハビタブルゾーン(ゴルディロックスゾーン)の恒星種類別比較図表ハビタブルゾーン(地球型生命が居住できる可能性のある領域)はゴルディロックスゾーンとも呼ばれ、恒星の周りを公転する惑星の表面に、液体の水が存在できるような、暑すぎたり寒すぎたりしない温度の領域のことです。 この図表では、太陽のような黄色のG型星、オレンジ色のK型星(橙色矮星)、赤色のM型星(赤色矮星)の3種類の恒星が比較されています。K型星とM型星は、どちらも太陽より表面温度が低く、太陽ほど明るくありません。 図表上段のM型星には、恒星のすぐ近くに小さなハビタブルゾーンが存在します。また、寿命は1,000億年ほどの長寿の星で、天の川銀河にある星の約73%を占め、とてもたくさん存在する星です。しかし、非常に活発な磁場を持っているため、生命に有害な放射線を多く出している可能性があります。そのX線の放射量は、静穏時の太陽の400倍と推

    恒星の種類によるハビタブルゾーンの違いを解説した図表
  • NASAの小惑星探査機オシリス・レックス、サンプル採取時の映像が公開

    ベンヌの表面に接触した「オシリス・レックス」のサンプル採取装置「TAGSAM」(Credit: NASA/Goddard/University of Arizona)NASAは日時間10月22日、前日に実施された小惑星探査機「OSIRIS-REx(オシリス・レックス)」による小惑星ベンヌからのサンプル採取時の映像を公開しました。映像には採取地点「ナイチンゲール」が間近に迫ってくる様子や、サンプル採取装置「TAGSAM」から噴射された窒素ガスや上昇時のスラスター噴射によって表面の物質が舞い上がっている様子が捉えられています。 この映像は、オシリス・レックスに搭載されているカメラのひとつ「SamCam」によって着陸前後の約5分間に撮影された82枚の画像から作成されました。映像は降下中に高度25mで撮影された画像から始まり、上昇してから約35秒が経った高度13mで撮影された画像で終わっています

    NASAの小惑星探査機オシリス・レックス、サンプル採取時の映像が公開
  • 「はやぶさ2」2020年12月6日に地球帰還 JAXA発表

    カプセルの大気圏再突入イメージ (Credit: JAXA)JAXAは2020年7月14日、小惑星探査機「はやぶさ2」の再突入カプセル地球帰還日が2020年12月6日(日時間/オーストラリア時間)になると発表しました。 着陸場所は、初代「はやぶさ」と同じくオーストラリア、南オーストラリア州のウーメラを予定しています。 ■現状と今後の予定各イベントの実施日時は7月14日現在未定(Credit: JAXA)「はやぶさ2」は、2019年11月13日に小惑星「リュウグウ」を出発し、地球への帰還軌道に入っています。2020年7月14日現在の地球からの距離は9200万km、リュウグウからの距離は404万km。打ち上げ以来の総飛行距離は49.2億kmで、残り3.2億kmで、順調に飛行中です。 5月12日以来イオンエンジンの加速運転が続いており、これは9月中旬まで続きます。10月以降は最終誘導フェーズと

    「はやぶさ2」2020年12月6日に地球帰還 JAXA発表
  • 土星に近づく大迫力の動画。CGじゃなくカッシーニが見た本物の映像

    (In Saturn's Rings公開のオリジナル動画:https://youtu.be/UgxWkOXcdZU) もし宇宙船に乗って土星に近づくことができたらどのように見えるのでしょうか? 土星探査機カッシーニは2004年に土星に到着するまでの間に数千枚、土星軌道に入ってからは10万枚以上の画像を撮影しました。それらのうち初期の画像の一部をもとに、映画でもよく見かける「IMAX」形式(IMAX社が開発した規格)で作られた動画が公開されています。作成したのは「In Saturn's Rings」というプロジェクトです。 動画では土星だけではなく土星の衛星である「タイタン」、大きなクレーター(ハーシェル・クレーター)を持つ「ミマス」、そして厚い氷に覆われ、間欠泉がある「エンケラドス」も順に見ることができます。また、中盤ではカッシーニが土星の環の近くを横切るように移動していき、土星の環が非常

    土星に近づく大迫力の動画。CGじゃなくカッシーニが見た本物の映像
  • ベテルギウスの減光がついにストップ。増光の兆しを見せる

    同じ条件で撮影されたベテルギウスの比較画像。左は2016年2月、右は2019年12月31日に撮影。背景の星々は変わらないが、ベテルギウスは右のほうが暗い(Credit: Brian Ottum/EarthSky)昨年2019年後半から急速に暗くなり始めたオリオン座の赤色超巨星「ベテルギウス」。ベテルギウスはいつ超新星爆発が観測されてもおかしくないとされており、いよいよその時が近づいたのかと話題になっていましたが、直近の観測では昨年から続いていた減光が止まり、増光に転じつつある様子が明らかになっています。 ■最も暗くなったのは2月10日前後、1.6等で底を打つEdward Guinan氏(ビラノバ大学、アメリカ)らの研究チームが国際天文電報(ATel)を通じて報告した内容によると、ベテルギウスの実視等級は2月7日から13日にかけて約1.6等で底を打ち、その後は徐々に明るくなっています。201

    ベテルギウスの減光がついにストップ。増光の兆しを見せる
  • 地上からの撮影なのにハッブル並みに鮮明。「補償光学」を用いた海王星画像

    ■地上の望遠鏡による観測を支える強力なツール「補償光学」【▲ ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡(VLT)によって撮影された海王星(Credit: ESO/P. Weilbacher (AIP))】冥王星の準惑星への分類変更により、2006年から太陽系最外縁の惑星となった海王星。これまでに訪れたことがあるのは1989年8月に接近観測を行ったNASAの無人探査機「ボイジャー2号」が唯一で、今のところは地上や宇宙の望遠鏡から観測することしかできません。 地球のおよそ4倍の直径があるとはいえ、太陽から30天文単位(太陽から地球までの距離の30倍)も離れたところを周回する海王星を詳細に観測するには、高度な技術が必要です。ヨーロッパ南天天文台(ESO)のパラナル天文台にある「超大型望遠鏡(VLT)」では、地球の大気によるゆらぎの影響を打ち消す「補償光学(Adaptive Optics)」と呼ばれる技

    地上からの撮影なのにハッブル並みに鮮明。「補償光学」を用いた海王星画像
  • 研究者も驚き。TESSが明らかにした「古代の北極星」の素性

    北の方角を示す目印として馴染み深い「北極星」。現在の北極星は「ポラリス」の名で知られる「こぐま座アルファ星」ですが、エジプトのピラミッドが建設されていた時代には「トゥバン」こと「りゅう座アルファ星」が北極星の役割を担っていました。今回、数千年に渡り観測されてきた星であるトゥバンの知られざる素性が、NASAの系外惑星探査衛星「TESS」による観測によって明らかになりました。 ■トゥバンは明るさが周期的に変化する「連星」だった連星であることが判明した「トゥバン(りゅう座アルファ星)」の想像図(Credit: NASA's Goddard Space Flight Center/Chris Smith (USRA))床に対して傾きながらも安定して回り続けるコマを観察すると、軸の先端が円を描くように向きを変えている様子がみられます。これは「歳差運動」と呼ばれるもので、地球の自転軸もおよそ2万6

    研究者も驚き。TESSが明らかにした「古代の北極星」の素性