過労死や過労自殺の事件が報道されるとしばしば聞かれるのが、「死ぬくらいなら辞めればいいのに」という声です。昨年発覚した電通の新入社員の過労死事件により、過労や長時間労働の暗部があらためてクローズアップされる中で、声に出さないまでも「そこまで行く前に辞めればいいのに」と感じる人は案外多いのかもしれません。 なぜ、過労によって命を落とす人は、会社を辞める、仕事を辞めることを選択しないのでしょうか。「命より仕事のほうが大事」だと思うのでしょうか。 過労死等防止対策推進法よると、過労自殺とは「業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡」と定義されています。つまり、過労自殺は心の問題と切っても切れない関係にあるものです。 そして、どんな人でも、ストレスの強すぎる環境にいれば精神的に追い込まれ、うつになる可能性があります。精神科医の私でさえ、ストレス過多状態が続き、食欲が落ち、
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