ご用聞きのSIerには一種のマジックワードがある。「お客様がそれを求めていらっしゃる」、あるいは「それについてお客様の了承が得られない」というやつだ。現場がこれを言えば、大概のことは社内で通ってしまう。だが、それが大きな間違いの元だ。コンビニ証明書交付サービスで立て続けにトラブルを起こした際の富士通Japanの対応は、まさにその典型例だろう。 その対応とは、相次ぐトラブルに危機感を持った河野太郎デジタル相が富士通Japanに対し、同サービスを一時停止した上で総点検することを要請したときの話だ。日経クロステックの報道によると、サービスを停止するとした地方自治体がなかなか現れないので、デジタル庁が富士通Japanに問い合わせたところ「依頼しているが、自治体側が応じてくれない」との回答だったという。 関連記事 試練続く富士通Japan、コンビニ誤交付トラブル巡り河野デジ相からは「強い叱責」 とこ