爽やかな田舎の風景だとか、ひと夏の恋や冒険、心胆凍る恐怖夜話など、夏を感じる、夏を味わう作品を選んだ。読むとアツくなるやつも混ざっているのでご注意を。 まず、夏といえば夏休み。だから「よつばと!」(あずまきよひこ)。学生じゃない身分になって幾年月。子どもが、「もうすぐ夏休みだー」などと指折り数えていると、「チッ」と舌打ちのひとつもしたくなるもの。あれだけ沢山の入道雲を眺め、あれだけ沢山のセミとりをしたにもかかわらず、キラキラとした思い出は欠片ぐらいしか残っていない。それを1000倍ぐらい拡大したのがこれ。天真爛漫の「よつば」が、周りを巻き込む無茶ぶりに、文字どおりハラ抱えて笑う。と同時に、帯のキャッチコピー「いつでも今日が、いちばん楽しい日」が胸をアツくする。夏休みを生きなおすような気分になる傑作。 次に、夏といえば観鈴ちん(異論却下)。だから「Air」(桂遊生丸)。ゲームのみならず、TV