東京の東銀座の駅近くに、“総菜屋のコロッケ”の草分けとして知られる店がある。1927(昭和2)年創業の「チョウシ屋」だ。 コロッケは、じゃがいもと挽き肉のオーソドックスな1種類のみ。ほかに、メンチカツやハムカツ、カツなどの揚げものがあり、いずれもコッペパンか食パンかを選んでサンドイッチにもしてくれる。 閉店間際に駆け込んで、最後に残っていたコロッケを2つ、ゲットする。手にすると、ほんのりと温かい。年代もののイラストがプリントされた紙袋に鼻を近づけてみると、ラードのこってりした匂いがかすかに漂ってくる。 形はもちろん定番の小判形。色は、キツネ色をやや通りこした茶色。さくりと衣にかぶりつけば、ほろりとじゃがいもが口のなかで崩れる。予想以上でも以下でもない、安心できる素朴な味わいだ。 この味を求め、開店当初は連日行列ができたという。値段は1個5銭。昭和の初め、そばが10銭、カレーライスが12銭だ
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