ブックマーク / www.nobodymag.com (3)

  • 『アバンチュールはパリで』ホン・サンス

    [ cinema ] 正直に書く。ホン・サンスのフィルムを見たのはこの作品が初めてだ。天の邪鬼なのか、韓流映画の流行が嫌で韓国映画というだけで素通りしていた。もちろんホン・サンスが、韓流に収まらないことは知識として知っていたが、知っていただけではどうしようもない。反省も込めて行動に移した。 そして『アバンチュールはパリで』を見た。すごいフィルムだと思った。以下、その理由を述べる。 まず、驚いたのが、ロケ地がパリとドーヴィルなのに、まるでパリやドーヴィルという感じがしないこと。パリという都市はとても抑圧的な空間だ。その都市のどこを写真に撮っても、それがパリであることがたちどころに納得されるような場だ。戦前の良質フランス映画なら、アレクサンドル・トローネルの力で、セットの中でそうしたパリを再現したし、ヌーヴェルヴァーグなら、徹底したロケで、「パリは映画に撮られるに値する都市である」(ダネー)こ

  • オリヴィエ・アサイヤス interview | nobodymag

  • 『クリーン』オリヴィエ・アサイヤス<div align="right">梅本洋一</div>

    [ book , cinema ] エミリー(マギー・チャン)は、いくつもの風景といくつもの音響を通り過ぎなくてはならない。カナダのハミルトンにある煙突から燃えさかる炎が上がる工場を背にした寒々しい川、人々が折り重なるように身を捩る中でマイクの前で多様な音声を絞る人たちのいるライヴハウス、どこでもまったく同じインテリアで、ここがどこだか判らなくなるようなモーテルの一室、売人と買い手が金銭と白い粉を交換する人気のないパーキング、息子を預けてあるヴァンクーヴァーの邸宅、皿や器の騒音と客の話し声が交錯するパリの中華料理店、いくつもの地下鉄と郊外電車と長距離列車とユーロスターが行き交うパリの北駅、その前にある豪華なホテル、そして彼方にゴールデンゲイとブリッジを望むスタジオ……。夫のロックスターがクスリで命を落としてから、否、彼の存命中からすでに、エミリーには自分の場所がない。 クスリの罪で投獄さ

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