50代になって『アンパンマン』でブレークした、やなせたかし氏。自分の顔をちぎって与えてしまうヒーローを、最初に認めてくれたのは子供たちだったという。本誌インタビューに答える。(週刊ポスト2008年12月12日号より) 「『アンパンマン』は、最初は出版社や親に評判が悪くてね。だってひもじい思いをしている人にアンパンマンは自分の顔をちぎって与えてしまうんですから。でも、そのうちに子供たちからすごい人気が出てきたんですよ。 僕はパンだから食べられるのは当然だと思っていたけどね、子供たちにはすごいインパクトだったのかな。まあ、考えてみれば世界にはいろんなスーパーマンがいるけれども、顔を食べさせるスーパーマンっていないんだよね(笑い)。その点が非常にユニークだったのかもしれないな」 『アンパンマンのマーチ』にこんな一節がある。 ≪なんのために 生まれて / なにをして 生きるのか / こたえられない