6-1で論じた献血ポスターについて、2020年の2月に、第2弾のキャンペーンの内容が公表された。その内容は、第1弾に対する批判をおおむね反映したものとなっていた。 しかし、ネット上の反応を見るに、その2つの区別がついていない人々が相当数いるようである。そこでここでは、いささか不毛な感じを覚えつつ、この2つの内容の差異を検討することで、いったい何が問題とされたのかを改めて明らかにしたい。 まず確認だが、第1弾のポスターは、キャラクターの胸部を強調した、性的強調表現にあたるものだった(性的強調表現を広告で使用すること一般の問題は第5章で論じた)。その強調の度合いは、少なくともオタクカルチャーから見ればさほどのものではなかっただろうが、掲示場所が駅構内であったことや、広告を使用したのが公的な側面を強く含む団体である赤十字であったことを考えれば、不適切であったと言わざるを得ない。 一方、第2弾では
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