小野市の蓬莱務市長は29日の定例会見で、神戸電鉄粟生線の存廃問題について、同社から沿線3市に土地と鉄道施設を有償で譲渡し、運営は同社が行う「上下分離方式」を提案されたことを明らかにした。今後、3市や県などが集まる会合で改めて同社から説明を受け、対応を協議する方針。 小野市によると、同社案は、鈴蘭台(神戸市北区)-粟生(小野市粟生町)の29・2キロのうち、乗客が少ない押部谷(神戸市西区)-粟生の18キロの土地と鉄道施設を沿線の神戸、三木、小野の3市に計68億円で有償譲渡し、その施設などを同社が無償で借り受けて車両を運行する「上下分離方式」。譲渡額は土地約13億円、鉄道施設約55億円で、3市の負担分は三木市が40億円、小野市が26億円、神戸市が2億円。実現した場合も当面は赤字が続く試算も示されたという。 同社によると、粟生線の乗客数は、ピークの平成4年度の1420万人から22年度は680万人に