4.0 論文作成のルール 4.1 註の付け方 (1)どういう場合に註を付けるか 註が一個も付いていない論文がないわけではない。ただし、その場合、その論文に含まれている事実関係のデータはすべて自分で調査したものであり、議論の前提となる命題も、論証過程も結論もすべて自前のものでなければならない。しかし、多くの場合、全部自力で解決したと思っていても、間接的には様々な影響を受けているものであり、そもそも何かに自分が問題を感じるということ自体、そうしたものの見方、考え方が歴史的に形成されてきたものである場合がほとんどであろう。そうした様々な間接的、無意識的影響を漠然と放置しておくのではなく、むしろそうした影響の源泉を自覚的に探索すること自体が、実は註を付けるということの効用の一つなのかもしれない。 他の効用としては、その論文の読者に必要不可欠な情報を提供する(それは同時にその情報へのアクセスの確保と