■国語教科書にかみついた中学生 外山滋比古『「読み」の整理学』(ちくま文庫)という本を、 たまたま書店で見かけて手に取ってみた。以前に外山氏の『古典論』を読んで、 その平易にして斬新な文にすっかり引きつけられてしまったことがあるので、今度はどんな内容かと期待して開いてみたら、 初っぱなからとんでもない話が目に飛び込んできた。 その話というのはこうである。中学校3年用の国語教科書に載っていた外山氏の文章の、 「ことばとそれがあらわすものごととの間には何ら必然的な関係はない」 というくだりに対して、「3年2組クラス一同」から 「この文章、間違っています。直してください」 という苦情の手紙が届いた。もともと中学生には少し難しいかと思われる文であったが、教科書会社からのたっての要望で、 できるだけわかりやすく手を入れた上で掲載を承諾した文である。かりにも検定を通った教科書で、 中学生にもわかる誤り
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