今の日本は70年代の米国と同じ状態、新しい産業の創出が脱却のカギ握る 内外から見た日本経済---野村総合研究所 未来創発センター 主席研究員、チーフエコノミスト リチャード・クー氏 低迷する今の日本の姿は、1970年代に日本の追い上げを受けた米国によく似ている。70年代の米国は、当時急速な勢いで成長した日本の製造業に追われ、経済競争力を失っていた。そこで、米国は保護主義的な政策をやめ、国内産業の改革を促す政策に転換し、強さを取り戻した。今の日本はそのころの米国に学ぶべき点が多いはずだ。 今や人々が好んで持ち歩くのは米アップルの「iPod」や「iPhone」で、インターネットの世界では検索サービスのグーグル。こういった分野は米国勢の独壇場である。こうした米国企業の強さは、当時の経済政策の転換によるところが大きい。米国は新しい技術やサービスを創造する人材を生み出した。対して日本はいまだに「欧米