先生の偏差値を公表しよう 受験競争が激烈だといわれる。確かに生徒も忙しい。教員も忙しい。朝補習、放課後補習、小テスト、採点、長期休業中も合宿補講・・・。しかし、この忙しさが奇妙なのである。私の印象では〈ただ忙しい〉のである。もっと言うなら〈忙しそう〉ならばいいのである。競争は効率である。いかに効率を上げるか。しかし、この効率からすると、およそ考えもつかないことが進学校では行われている。この文章ではそうした奇妙な競争の舞台裏を書いてみたい。 進学校は偏差値の世界である。私はそれはそれで――受験システムに大きな問題があることを認めた上で――機能としては合理的な側面を多くもつと考えている。非進学校の教員の教科へのとりくみや評価に対する姿勢はひどいものである。要するに恣意が支配する世界である。その点、点数という外に現れた事実をベースにしようというのだからまだよいのである。ただ、教壇という一段高いと