日清食品創業者の安藤百福と、その妻・仁子をモデルにしたNHK連続テレビ小説『まんぷく』。好評のまま、物語は佳境を迎えつつあるが、終盤の山場は、安藤氏が無一文からチキンラーメンの開発で「一発逆転」を勝ち取るところだ。一方、安藤氏や日清食品側はかねて「発明」説をとってきたが、そこには異論も少なくない。本連載「世界漫遊『食考学』の旅」の番外編として、安藤氏が暮らした台湾と大阪の現地取材で検証した。 「発明」説にはいささか納得できない 夜食でチキンラーメンを食べるのが楽しみだった。柔らかめに麺を茹でるのが好きで、醤油と鶏ダシと油の混ざった汁を、たっぷり麺に吸わせて、ずるずるっと啜り上げる。高校時代の受験勉強で夜中にお腹が空くと、鍋に水と麺を最初から入れてつくった。そうする方が麺がよくふやけるからだ。気が向けば、卵もひとつ落とした。
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