史上最年少タイトル挑戦の記録を塗り替えた17歳の藤井聡太七段。藤井の師匠・杉本昌隆八段と一門でいえば“イトコ関係”にあたる“教授”勝又清和七段が、東海の棋士の系譜と師弟の物語に迫る。 ◆◆◆ 藤井聡太の大師匠・板谷進は「弟子の成長を何よりも喜ぶ」 板谷四郎九段(1913-1995)は、40代で引退すると名古屋で板谷将棋教室を開き、中京棋界の発展に尽力し、多くの弟子を育成。私の師匠の石田和雄九段など5人の棋士が誕生した。やがて四郎の次男の板谷進九段(1940-1988)が親であり師匠でもある板谷四郎から引き継いでいく。板谷進は名古屋に将棋会館を建てよう、東海地区にタイトルを持ちかえろうとパワフルに活動した。東海が栄えるためには棋士を増やさなければならないと弟子をとった。内弟子からは小林健二九段が活躍する。小林は18歳の若さで四段に上がると、順位戦も順調に昇級し、20代でB級1組まで昇級した。