江戸幕府が鋳造した銀貨「慶長丁銀(ちょうぎん)」に押された偽造防止用の公印「極印(ごくいん)」の鑽(たがね)(はんこ)が、京都市内の濠(ほり)跡で見つかったことが31日、分かった。偽金流通を防ぐため銀座(鋳造所)からの持ち出しが禁じられ、廃棄する場合は溶解処分されており、実物の発見は今回が初めて。調査した京都市埋蔵文化財研究所(埋文研)は「故意に持ち出され、偽造に使われた可能性もある」と指摘している。 【写真】大黒天像と「常是」の文字が刻まれている極印の印面 京都市下京区の市中央卸売市場の整備に伴う調査で、豊臣秀吉が京都を囲む土塁として天正19(1591)年に築いた「御土居(おどい)」の濠跡から出土した。 埋文研によると、鉄製で全長11・3センチ、重さ532グラム。印面は横3・4センチ、縦1・7センチ。2つの米俵に乗って袋を担ぎ、小槌(こづち)を持った大黒天像と、「常是(じょうぜ)」の文字