気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 日本のものつくりの素晴らしさをたたえる本は巷にあふれていた。3・11以後この論調は影をひそめたようである。震災と原発事故で日本の科学技術の力不足が誰の目にも明らかになったからと思われる。ものつくりの技術力が原発事故では十分発揮されず、ずるずると事態の悪化を招き、あげくの果てにアメリカやフランスの力に頼らざるを得なかったのは何故か? このような疑問を感じている読者は少なくないはずである。 この疑問に答えるべき日頃饒舌な技術ジャーナリストや科学技術史の論客たちはおしなべて沈黙しておられるようである。私はこれまで日本の科学技術について、ものつくり礼賛とちょうど逆の位相から私見を述べてきた(『ものつくり敗戦』)。科学技術の主役は「ものつくり」から大き