日本的経営は“誤解”されてきた。「家族主義に代表される人を大事にする経営」と思われてきた。実際、1980年代にアメリカで行われたセミナーなどで、日本の経営者は「社員の解雇は絶対にしません」と胸を張っていたという。 ところが、バブル経済が崩壊して経営が悪化すると、日本の経営者たちが率先してやったのが「リストラ」という名の従業員の解雇だった。そもそもリストラ(リストラクチャリング=Restructuring)とは「事業の再構築」という意味なのだが、日本では事業の見直しは疎かにされて、「人切り」と同義語にされてしまった。「人を大事にする」など、誤解もいいところだったわけだ。 同じような誤解が、「日本の経営は長期的戦略を重視している」というものだ。早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問で一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏は、著書『日本経済 企業からの革命』(日本経済新聞社、2002年)で以下のように述べ
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