12月1日、みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏は、現在の円安局面は巨大な貿易赤字と大幅なマイナス実質金利という過去にはなかった増幅要因を抱えていると指摘。提供写真(2014年 ロイター) 唐鎌大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト [東京 1日] - 8月下旬に再開した円安の流れは日銀追加緩和や公的年金運用改革、増税先送り解散といった巨大イベントに背中を押されて、勢いを増している。 大方の市場予想を超える円安加速に対し、財界から不安の声を耳にすることも珍しくなくなった。円安はどこで止まるのか、どのくらいのスピードで続くのか――。フェアバリューのない為替の世界では、過去の経験則から「当たり」をつけて議論することが多い。だが、現在の円安局面は過去とは決定的に異なる要素を抱えており、経験則から水準を予想することが困難というのが偽らざる本音である。 具体的に、何が違うの