はんどう・かずとし 1930年、東京生まれ。東京大文学部卒。「文芸春秋」編集長などを経て作家に。「昭和史」で毎日出版文化賞特別賞。近著は「日露戦争史」1〜3巻 「戦没者230万人」という数字を、私たちはどのように読み解けばいいのだろうか。昭和史の著作が多い「歴史探偵」こと作家の半藤一利さん(84)に聞いた。【聞き手・高橋昌紀/デジタル報道センター】 ◇ 戦前の日本は近代国家の体をなしていなかった。「戦没者230万人」という数字はそのことを端的に示していると思います。国民を戦地に送り込むならば、国家は責任を負わなければなりません。いつ、どこで、どのように戦没したのか。確実に把握していなければならない。ところが、「戦没者230万人」という大枠のみが残り、具体的なデータは部分的にしか残っていません。厚生省(当時)は戦後、戦域別で戦没者数を算出しましたが、そこまで。死因までは分類できていない。23
米国に追従して自衛隊が地球の裏側まで行けるようにする安保法制は、いわば「戦争法案」ですよ。わしが嫌いなサヨクみたいな言い方になっちゃうけれど、それが現実。みんな、戦争をする覚悟はできているのか? 後方支援は、戦争遂行のために兵や物資を運ぶ兵站(へいたん)です。リスクは変わらないと政府は言うが、うそ。真っ先に攻撃される可能性があるし、戦死者が出るかもしれない。そしたらどうやって弔うの? 靖国神社にまつるの? 当然、考えるべきことなのに、政府は考えていない。当事者意識も覚悟も感じられないよ。 戦死者が出るってこと自体、今の憲法ではあり得ないことで、改正するのが筋でしょ。わしは、日本国憲法は護憲派が言うほど平和な憲法ではないと思っている。「戦力不保持」という建前のせいで、防衛をアメリカに依存せざるを得なくなる。主権を握られているのと同じことで、だから米国の侵略戦争に引きずり込まれてしまう。 今度
鬼・怒鳴門(きーん・どなるど) ニューヨーク市ブルックリン生まれ。92歳。東日本大震災後の2012年に日本国籍を取得した。菊池寛賞、毎日出版文化賞など受賞。02年に文化功労者、08年に文化勲章を受けた。米コロンビア大名誉教授=東京都北区で2015年2月2日、宮間俊樹撮影 ドナルド・キーンさんインタビュー お国のために我慢すること、お国のために死ぬことが、日本の伝統なのだろうか。若き日に「源氏物語」と出合った感動を抱き続け、日本国籍を取得した日本文学研究者のドナルド・キーンさんに聞いた。【聞き手・高橋昌紀/デジタル報道センター】 米国海軍の日本語将校として、太平洋戦争に従軍しました。武器は取りたくなかった。だから、語学の能力を生かそうと思ったのです。1943年2月に海軍日本語学校を卒業し、日本軍から押収した文書の翻訳任務に就きます。ある日、小さな黒い手帳の山に行き当たりました。同僚たちは避け
◇説明会陳情や反対署名活動、隣接地区・移住者声上げ 房総半島の西南端、浦賀水道に突き出した館山市西岬(にしざき)半島。いま、地元業者による山地への建設残土埋め立て計画をめぐり、地元を二分する論争が広がっている。手つかずの山林の開発が、過疎化、高齢化が進む集落を救う地域振興の切り札になるのか。あるいは土壌汚染が周辺の豊かな自然環境を破壊する結果となるのか。対立は先祖伝来の地で生き続ける人たちと、豊かな自然にあこがれ、都会から移り住んだ人たちの思いの隔たりが色濃く反映しているようでもある。【中島章隆】 ■協定書は締結 埋め立てを計画しているのは同市沼の服部回漕店(服部勝太郎社長)。西岬半島の先端に近い同市坂田(ばんだ)地区の山林約6万平方メートルを、京浜地区から運ぶ100万立方メートルの建設残土で埋め立て、3年後にミカン園などを造成する計画だ。 西岬地域以外でも残土埋め立て事業を展開している同
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く