◇JA全中の監査・指導権廃止などの改革案決定 政府・自民党は9日、全国農業協同組合中央会(JA全中)の地域農協に対する監査・指導権を廃止することなどを柱とする農協改革案を決定した。1954年の中央会制度の導入後、約60年ぶりの抜本的な見直しとなる。地域農協の経営の自由度を高めることで、農家の所得向上につながるような創意工夫を促すのが狙いだ。ただ、「JA全中をたたくだけでは何も変わらない」との声も根強い。安倍政権が目指す「強い農業」の実現には、各農協の意識改革や政府の農業振興策が不可欠で、改革はこれからが正念場だ。 【農協はなぜ改革を求められるの?】 「我々も正に大改革、大きな変わり目ということで決断させてもらった」。9日午後、自民党本部を訪れたJA全中の万歳(ばんざい)章会長は記者団に対し、農林系議員幹部らに改革案の受け入れを伝えたことを明かした。自民党の農林関係合同会議も政府案を了承