2011年3月9日のブックマーク (1件)

  • 『ウィトゲンシュタインと精神分析』ヒートン,ジョン・M(岩波書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「トーキング・キュア」 ウィトゲンシュタインがフロイトを高く評価しているのは意外だが、よく考えてみれば、不思議ではないのかもしれない。どちらも語ることによる治療(トーキング・キュア)を目指していたからだ。ウィトゲンシュタインは、言語の形而上学的な使い方のために、哲学のうちに「瘤」(『哲学探求』一一九節)のようなものができているのであり、日常的な言語の分析によって、哲学の瘤を治療することができると考えていた。それだけではなく、「ウィトゲンシュタインにとっては、セラピー(治療)とは二人で思考を共有すること」(p.15)だったであり、フロイトの治療の実践と共通する要素があったのである。 書は、レインとも共同で活動したことのある精神療法士というかなり特別な立場から、ウィトゲンシュタインと精神分析の関係を考察した興味深い書物である。ウィトゲンシュタインとも離れ、フロイトとも離

    『ウィトゲンシュタインと精神分析』ヒートン,ジョン・M(岩波書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG