内 容 「善意」と「冷笑」の狭間で —— 。人々を社会参加へと枠づける言葉は、どのような政治的・社会的文脈で生まれ、いかなる帰結をもたらしてきたのか。その言葉がまとう形はどのように作動するのか。動員モデルと意味論分析を介して日本におけるボランティア言説の展開をたどり、参加型市民社会のあり方を鋭く問いなおす。シニシズムを脱することはできるのか。 目 次 序 章 「ボランティア」をめぐる語りと〈贈与のパラドックス〉 —— 問題設定と方法 1 問題の所在 2 動員モデル 3 贈与のパラドックス (1)動員モデルの外へ (2)〈贈与〉の意味論的構造 4 「ボランティア」的なものを扱う視座と方法 (1)居場所を求めて —— 理念史でも言説分析でも構築主義でもなく (2)弱い知識社会学 (3)「ボランティア」的なものの同定をめぐって 補論1 「市民社会」に分有される〈贈与〉 補論2 〈贈与〉と権力 —