ジェンダー研究の本には、「男は~」や「女は~」と、男や女を主語にした文章が出てくる。おそらく勘違いされやすいのは、ここで言う「男」や「女」が実在の、「あなた」を含むすべての男や女を、必ずしも意味しているのではないという点だ。ジェンダー研究で使われる「男」や「女」という語の用法は、他の文脈―たとえば、Mixiニュースなんかで出てくる「こうすれば男は落ちる!」とか、「モテる女は○○~」みたいな―とは、異なっていて、この点を理解しないとジェンダー研究というのはたぶん面白いものでないどころか、不愉快なものと捉えられてしまうかもしれない。 なぜなら、「男は~」「女は~」と出てきた瞬間、「自分は男(or女)であるが、これには当てはまらない・当てはまる」という読み方をして、「私はこれには当てはまらない」と感じた途端、その「男」や「女」を主語として始まる文章は、一方的な「あなた」の価値観や考え方の決めつ