さて、そろそろスウェーデンにおける原発の議論について触れていきたいと思うのですが、今週はなかなか時間がありません。しかし、少しずつ始めていきます。 大まかな話から始めるとすれば、中野多摩川さんがコメントに下さったように今回の大震災に伴う福島原発事故のあと、スウェーデンではこれまでのエネルギー政策を大きく路線転換するような議論は特にない。私の思うところ、その理由は、スウェーデンのエネルギー政策では既に大震災以前の段階において「段階的な脱原発」という路線が多かれ少なかれ選択されており、福島原発の事故のあともそれが継続されているためである。 「多かれ少なかれ」という部分は少し説明が必要だ。たしかに、1980年の国民投票を受けてそれから10年以内にすべての原発を閉鎖するという政治決定が行われたものの、代替エネルギーの確保がうまく進まず、当初の10年が20年となり、そして既に30年が過ぎ、この間に閉