哲学系・歴史系・物理系からみた「物理とは何か」。 そして、とある科学哲学者の現代物理学の描像を、物理屋の視点から採点し、描き直す。
詩人谷川雁らと共に『サークル村』を創刊し、筑豊の炭鉱町に根を下ろした女性作家と、孫ほどに年の離れた気鋭のインド研究者。 この二人の対話というより、森崎和江の生涯をたどる中島岳志による秀逸な「聞き書き」である。 標題の「断層」とは「男と女の断層、植民地と被植民地の断層」などを意味する。森崎はこれらの亀裂を架橋しつつ独自の表現を紡いできた。 植民地朝鮮に生まれ育った彼女は、一七歳で福岡に移り住むも「私、『日本』っていう字が書けなかったんですよ」という宗主国日本に対する違和感を抱く。また「妊娠して五ヶ月ぐらいのときに『私』っていう言葉が使えなくなった」ともいう。というのも「一人称からは妊娠している女の私っていう実体が欠け落ちてる」からである。 こうした植民地体験に根ざす原罪意識と女性性への自覚こそ、体性感覚から絞り出されてくるような森崎の文体の根底にあるものであろう。 中島の丹念な聞き取りによっ
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