空襲の記憶を「つないでいく」ということ――日本とドイツにおける慰霊・記念碑から映像作品まで 柳原伸洋 ドイツ・ヨーロッパ現代史 国際 #東京大空襲#ハノーファー#ドレスデン#風立ちぬ#はだしのゲン#火垂るの墓 本稿では、日本とドイツの空襲記憶に関する前提知識から両国の慰霊・記念・表象のあり方を紹介しながら、それらを比較し、空襲記憶の未来について考えたい。 結果として、多岐にわたる事項の羅列になってしまっている。しかし、これらは互いに絡み合う問題であり、また相互に関連付けて接続していくことこそ、将来の戦争記憶についての知恵を生み出すのではないだろうか。 いわば、本稿は「今、自分のいる場に引きつける」あるいは「引き受ける」ための材料の整理といった側面を持つものである。 まずは「今」に引きつけるために、約70年前という大空襲時からではなく、ほんの数年前に世界が体験した空襲から話をスタートさせたい