食虫植物の進化がゲノム解読から明らかに 長谷部 光泰、福島 健児 2017年3月号掲載 植物なのに、虫を捕らえ、食べる食虫植物。この不思議な生き物は、いったいどのように進化してきたのだろうか。このほど、自然科学研究機構基礎生物学研究所の長谷部光泰さんと米国コロラド大学の福島健児さんらは、食虫植物フクロユキノシタのゲノム配列を明らかにし、さらに捕らえた虫を分解する消化酵素の進化について解明して、Nature Ecology & Evolution 3月号に発表した。食虫植物の進化の謎解きに挑むお二人に聞いた。 ―― 食虫植物とは、どのような植物ですか。 左から、Gergo Palfalviさん、福島健児さん、長谷部光泰さん | 拡大する 長谷部氏: 虫を「食べる」ことにより、窒素やリンなどの栄養素を吸収しているのが、食虫植物です。「食べる」というのは、その葉を用いて、虫などの小動物を誘引、捕