電子基板などを組み立てる万能作業台。IoT技術を取り入れてミスを防ぎ、生産効率を高めている=福井県越前市のオリオン電機武生工場 人口減少による市場縮小や人手不足を背景に、モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)といった先端技術を活用し、生産効率を高める動きが県内で広がっている。安倍政権は経済対策の柱として「生産性革命」を打ち出すが、先行きへの不安がぬぐえない中小企業からは「利点や費用対効果が分からず、設備投資に踏み切れない」といった声が漏れる。 ■不良品ほぼゼロに 音響映像機器製造販売のオリオン電機(福井県越前市)は、電子基板の製造ラインにIoT技術を導入。作業時間やトラブルをパソコンやスマートフォンで確認できるようにした。センサーで手順通りに作業が進められているかをチェックする「万能作業台」も開発し、生産効率を4割改善させた。同社生産本部の中野谷博本部長は「全体の動きを共有してト