戦後70年企画の連載で、ボクシング漫画の名作「あしたのジョー」のちばてつや氏を取材した。 連載では旧満州(中国東北部)で終戦を迎えたちば氏の壮絶な引き揚げ体験を中心に書いたが、あしたのジョーそのものの話も、興味深いものばかりだった。 最終回の最後のコマついても聞いた。試合終了直後のリングで、ジョーはコーナーポストを背に眠るようにイスに座っている。色のない真っ白なジョーの姿は、作品のファンでなくとも知っている名場面だろう。直前のコマでは「真っ白に燃え尽きた」とつぶやいている。連載が終了し40年が過ぎた今も、ファンは「ジョーは死んだのか?」と議論を続けている。 ちば氏は、この場面の解釈について明言を避けてきた。今もその姿勢は変わらない。だが取材では、この場面に込めた思いを話してくれた。 「真っ白になるまで頑張れば、新しい明日が来ると、若い人に伝えたかった。いい加減な仕事をしていては明日