善意を逆手に取る犯罪ほど悪質なものはない。か弱い女性を狙ったものだとしたらなおさらだ。強制わいせつの認知件数が今年上半期で539件と全国最多となっている大阪。その大阪で6~7月、言葉巧みに女性に声をかけては人目につきにくい場所に誘い込み、無理やりわいせつ行為に及ぶ事件が相次いで摘発された。「トイレを手伝ってほしい」「購入した商品について尋ねたい」-。ある男は身体障害者を演じ、排泄(はいせつ)の介助を求めるふりをして女性をだました。また、別の男は商品のアンケートを装って女性に接近し、「俺はAV(アダルトビデオ)関係の社員」と言って女性をひるませていた。「人の良心を踏みにじるような卑劣な犯行」と捜査関係者。統計上、性犯罪は1年の中で夏が最も多い。警戒が必要だ。 足引きずり、腕はだらり 「すみません。身体障害者用のトイレの場所、知っていますか」 6月13日午前、大阪府大阪狭山市のレンタルビデオ店