民主党の代表選が近づいて、マスメディアの論調が乱れてきた。当初はメディアは反小沢一色で、ことあるごとに「政治とカネ」問題を言挙げしていた。それが「小沢もダメだが、菅もダメで、どちらへ転んでも不毛の選択」から「こうなったら一度小沢にやらせてみたら」論の受容へと微妙にシフトしはじめている。私は小沢一郎の政治手法に対してはすこしも共感できないけれど、「田中派政治的なもの」への民意の揺れ戻しがあることについては歴史的必然性があると思う。田中派政治は「ばらまき政治」と言われた。ばらまくためには原資が要るので、それは同時に贈収賄に対するワキの甘い「金権政治」として指弾を浴びた。ばらまく政治家からすれば、「金のあるところからないところに回しているのだから、これこそ社会的フェアネスだ」というロジックがある。だから、「政治とカネ」と一律で批判されるが、実際には「あるところからないところに金が流れてゆく」とい