vol.1はこちらをご覧ください。 vol.2はこちらをご覧ください。 クレーム対応は教師の仕事じゃない。 平松: そうすると、最初の話に戻りますけども、学校教育についてはクレーマー対策みたいな、「対策」とか言ってるとダメなんですか、逆に。 内田: そうです。今は、伝統的な、惰性的な学校教育が市場原理の中に放り込まれてしまって、その中で教師も混乱してるし、保護者も混乱してる。メディアで教育を語る人たちのほとんどが、教育はビジネスだ、商取引だ、等価交換だと言い続けてきたので、日本人全体がそうだと思い込んでいる。前回話した『坊っちゃん』の6類型にしたって、それは子どもの市民的成熟のための装置だからです。単に学校に行って「金になる」知識や技術や情報を身につけようと思っている人には意味不明なわけです。 学校は市民的成熟のための場だという社会的合意があるからそういう仕掛けも成立するわけです。「うちの