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2019年6月12日のブックマーク (2件)

  • 第6章 日系社会の分裂対立(1) | ブラジル移民の100年

    1941年(昭和16)6月に日語新聞が廃刊されて以後は、日人たちにとって、ポルトガル語を多少読むことはできても、ブラジルのポルトガル語紙の記事は連合国側のデマ宣伝で信用できないとして、人づてに聞く日からの短波放送の情報のみが信用できる情報となっていった。日の放送にも連合国側同様にプロパガンダが含まれているとは考えなかった。 1945年(昭和20)8月14日、日のポツダム宣言受諾を伝える放送はブラジルでも聞くことができ、敗戦の知らせを聞いた日人たちは呆然とするばかりであった。しかし、少し時間がたつと、敗戦という受け入れ難い事実を受け入れる代わりに、それまでに得た情報を願望によって都合よく再解釈し、敗戦はデマであり、実は日が勝ったのだと言い出す者が出てきた。その言説は、すぐさま日人の間に伝わり、敗戦を受け入れたくない多くの人たちに信じられることになった。これらの人たちは、勝ち組

  • ブラジル勝ち組レコード屋の、不思議なレコード - 虚構の皇国

    ブラジル勝ち組機関誌『輝号』(復刻版、不二出版、2012年)を読んでいて、妙なことに気がついた。 同誌、昭和26〔1951〕年7月号から昭和28〔1953〕年2月号(=終刊号)まで、奥付横のページに、サンパウロにあった「遠藤兄弟商会」というレコード屋が、毎月の「新譜」広告を出している。しかしその中に、どう考えても戦後のレコードではないものが混じっているのである。 一番わかりやすいのが、昭和27〔1952〕年8月号のこの広告だ。 「8月発売傑作盤」と銘打たれた「新譜」の、キングレコードのコーナーを見て欲しい。レコード番号2808に『紀元二千六百年』(A面:永田絃二郎&長門美保、B面:キング管弦楽団)が載っているのである。が、サンフランシスコ講和条約発効後であるとしても、『紀元二千六百年』なんて奉祝国民歌をキングレコードが再発するだろうか? キングレコードの1953年の目録を調べてみたが、この

    ブラジル勝ち組レコード屋の、不思議なレコード - 虚構の皇国