ベストセラーになった「社会的ひきこもり」の出版から12年。 臨床現場で患者に接する一方、積極的な言論活動を続けてきた斎藤さん。 今、ひきこもりの状況はどう変わったのか。 診療が終わり、静まり返った夜の病院で聞いた。 =就労後の引きこもりが増えている= 「この問題を取り巻く状況は驚くほど変わっていません。 行政の対応も世間の理解も大きくは進んでいない。 さすがにひきこもりを犯罪者予備軍と位置づけるような見方は無くなりましたが、 社会参加しない若者を叩く風潮は相変わらずです。」 「現状面での一番の変化は高齢化です。 厚生労働省のひきこもり研究班の調査で私が調べたところ、平均年齢は32歳でした。 約20年前の調査に比べ10歳も上がった。 私が診ている人手最高齢は40代後半ですが、知り合いには60歳代を診察している医師もいる。 非常に深刻な問題です。」 「内閣府の最新の調査では、ひきこもりの人は約